蔵の改装日記 その7

蔵横の出っ張り部分。
当初は基礎の束石があるのでそれを生かして、小さな小屋をつけることにしていました。

母屋の端、蔵のすぐそばには今は使われなくなったトイレもあったので、お客様にはそちらを使ってもらおうかと、、

しかし、また靴を履いて外に出ることや、雨の日煩わしさを考え、冷蔵庫スペース&トイレにすることにしました。

ここからは早送り(笑 >>>

屋根は古い梁に新しい建材を継ぎ足したもの。お風呂があったとのことで、湿気のせいでところどころ腐ってます。

土壁も薄く、ここまでは簡単

結構がっちり「ホゾ組」されていた大物の梁を取り外して。バールとハンマー大活躍(笑

ここは人力では無理。大工さんにお願いしました。

基礎は使える?
いやいや、切り出した石にコンクリを流してますが、古く強度も不安な為、取り除くことに。
壁にくっついていた横の梁も独立していて無事取り外せました。

モダンアートみたい

ここに穴をあけます。梁の間の壁は、竹を麻ひもで結わえて粘土を盛っています。一番表面、漆喰が素人では塗れないんですよねー。

将来的にはかまどを使って調理した食事も提供したいということで、裏に繋がる出入口も新設することにしました。

結果的にこの出入口は最も使用頻度が高く、図面だけではわからなかった、四季を通じての採光にもとても役立っています。

今回の改装で最も良かったな、と感じた部分でした。

蔵の改装日記 その6

蔵横の出っぱった小屋の屋根を落とす(解体する)と決めました。

蔵の改装日記 その3

のはいいけど、さてどこから手を付けたら良いものか。
建てた順番を逆さまに辿っていくことにします。

まずは屋根瓦。

昔の瓦は粘土を焼成して作られたもので、それらを木の骨組みの上に藁苆(わらすさ)を敷き詰め、土(粘土)を盛って、その上に重ねています。

瓦は一枚一枚が現代のものに比べて小さく、焼き締めも低温のため、とてももろいです。
それら瓦の「重ね」を密にすることで、雨風を防いでいたのですね。

固さの比較でいうと、

昔の瓦=ロシアンクッキー

ロシアンクッキー


今の瓦=泉屋のドーナッツみたいなやつ

泉屋のドーナッツみたいなやつ

解体する側からいうと、「小さくて密」ということは、すなわち枚数が多い、ということ。

小さな面積に驚くほどたくさんの瓦が乗っかっていました。

まずはそれらを下ろし、、
次に瓦と骨組みの間の粘土(土)を下ろすことにします。

粘土はカラカラに乾燥していて、土ぼこりがすごい。マスク必須です。

瓦を下ろしてみると、下地の骨組みがでてきました。ん?意外と新しい?

横桟の元の梁は古そうだけど、屋根を支持している部分は新しい建材です。
この出っ張りは後から付け足したものかも。←良い(外しても本体に影響がない)かも^^

並行して、床を整えます。

雨の日は内装作業、貼ってあったカーペットの処理中。下地のベニヤはなんとか生かせるかも。

カーペットを貼っていた両面テープが超強力で剝がすのに苦戦!

最終的にはトーチ・バーナーの炎をあてながら、スキージー(ヘラ)で落としました(汗

蔵の改装日記 その5

新年あけましておめでとうございます。

今年も三社参りに行ってきました。

新しくいただいてきたお札

今年で3年目の三社参りですが、そもそものきっかけは母屋と蔵に残されていた古い3つのお札(ふだ)。


放置されてから、長い年月が経ってしまったであろうお札たち。
蔵の改装にあたり、ご挨拶も兼ねてお返しに行こう。ということになりました。

お札(ふだ)の文字は掠れていて、よく見えない。かすかに読み取れた文字をたよりにひとつひとつ。

まず、一つ目は近くの若宮神社。(ふむふむ、いわゆる氏神様ですね。)

次に二つ目は車で15分ほど、隣町、大神(おおが)の愛宕神社。(振る舞いでいただく甘酒が毎年とても美味しい。)

そして三つ目は、車で1時間ほど(!)天ケ瀬の高塚地蔵尊。

故人が辿ったであろう三社を、私たちもなぞらせていただきます。

お札(ふだ)をお返しに行った初年度。

初めのうちはちょっと敬虔な面持ちで参拝していたのですが、ひとつ、ふたつと進むにつれ、「ああ、これは当時のアクティビティだ。年中行事の楽しみの一つだったのだな。」と感じるようになりました。

そう思うと、私たちもなんだか遠足のような、楽しい気持ちになってきました。

今年も無事、三社にお参りでき、それぞれのお社、お寺で「今年も良い年にします。」と宣言してきました。

今年は高塚地蔵尊にお参りしたあと、近くの天ケ瀬温泉に立ち寄ってきました。

天ケ瀬といえば川湯。

初川湯は「益次郎の湯」。「お湯が強」くて最高。めっちゃ効きました。

ほんとうに川のすぐそば
飲泉もできる
この開放感が素敵(笑

本年もどうぞよろしくお願いいたします!

いただいてきた3社さんのお札(ふだ)はそれぞれ定位置に。

高塚さんは母屋に
愛宕さんは勝手口奥
若宮さんはかまど

皆様におかれましても、健康で幸多い年でありますよう!