せとうちつなぐキッチン 動画制作

伝承者として「愛農かまど」を設置したご縁で、かまどの火入れ式をかねて、周防大島『せとうちつなぐキッチン』へ。

穏やかで心地よい周防大島の風景と、心を尽くしたおもてなしをいただいた、『せとうちつなぐキッチン』。

滞在中から、この美しい風景を残したいなあと考えていて、絵コンテ(のような落書き)を元に、動画を制作しました。
スマホ(Instagram)用は30秒のショートver.です。

山手側 朝日を浴びてとても美しい
愛農かまどの火入れ式
毎日のご飯が本当に美味しい
絵コンテ(のような落書き)

スマホ用(Instagram)

Instagram(リール)用動画はサイズ1080*1350で30秒のショートver.です。

フルver. はこちら。

早や、再訪したいです。

「愛農かまど」とは

戦後から昭和30年代にかけて、食糧不足と燃料不足の時代に「愛農かまど」は生まれました。
当時、農村家庭では煮炊きなど生活に必要な燃料は薪で行われており、日本の森林資源が減少、枯渇する危機にあったそうです。

そんな中、愛農会創始者の小谷純一氏の呼びかけに応じて、料理研究家の酒井章平氏が考案した、少ない薪で左右二つの釜を同時に使って調理ができる、熱効率が非常に良いかまど。

それが「愛農かまど」です。
 これまでにない画期的なかまどは多くの農村に普及していきました。

我が家(森美)の愛農かまど。

しかし、昭和30年代中ごろになり農村にもプロパンガスが普及するようになってからはその存在は次第に忘れ去られていきました。

ほとんど途絶えていた「愛農かまど」でしたが、2004年、私たちの師匠でもある野呂由彦さんが技術と(奇跡的に残っていた)木型を継承され、今に至ります。

時代は変わり現代、便利になったはずの私たちの暮らしや身体は自然から遠のくばかり。


「何かが違う」と感じた9年前、福岡市から大分県国東半島へ、そして、現在の築100年超の古民家に移住。

田舎暮らしの知識も経験も知り合いも、お金も、、文字通り何もないところに「愛農かまど」をひとつ設置したところから私たちの里山暮らしが始まりました。

人と自然と共生して暮らす。薪に火をくべ、煮炊きする。ちょっとの手間を共有して笑顔で食卓を囲む。
小さな集まりのきっかけ。ささやかで、丁寧だけれど、けっして特別でないもの。
そんな希望の暮らしを「愛農かまど」に感じていました。

あの時感じた希望の暮らし、は私たちにとって、いつの間にかとても身近なものになっています。

蒸し料理はお手のもの。
右側の焚き口からフーと息吹を送ります。
出来上がったかまど料理を皆で囲みます。

ご縁をいただき、現在では「愛農かまど伝承者」としても活動しています。

愛農かまど の機能

愛農かまどは戦後の食糧不足、燃料不足の時代に料理研究家(酒井章平氏)が考案した、非常に燃焼効率の良い構造を持ち、少量の薪からの熱源〜排熱と無駄のない流れで、熱エネルギーを最大限に活かすことができるかまどです。
通常薪には適していないとされる少量の細枝や家を整理したときに出る一つかみの廃材(合板でない)でも、3 升の米が約 30 分で炊きあがります。
同時に隣の釜では汁物を温めたりと、効率よく煮炊きができます。

上段に羽釜を2つ設置して使用します。かまど本体には金輪が取り付けられており、小径の金輪を重ねて、調理器具のサイズに合わせて使用します。

羽釜をのせる一番外側の金輪のサイズは、外径φ415mm、内径φ330mmです。

ウチ(森美)の愛農かまどは最上部にタイルを貼った変形型です。機能には変わりありません。

向かって右側下部には焚口があり、その上の羽釜は直接薪の火力を受け、もう片方(左側)は煙突へ向かう手前の余熱を利用した弱火調理ができます。

どちらもしっかりとお湯も沸かせるので、お米を蒸したり、大豆を茹でたりと餅米を蒸したり味噌作りに重宝します。

中央下段のオーブンではパンやピザ、シュークリーム等を焼くことができます。
アイデア次第で可能性が広がります。


どうぞ様々なかまど料理をお楽しみください。