イベリコ豚をしのぐ最高の猪肉の生ハムをつくる

ハモン・イベリコを超える杵築(キツキ)産、猪の生ハム「カモン・キツキ生ハム原木」をつくります。

「カモン・キツキ」生ハムをつくる

今回の主役は生ハムです。

ここ九州>大分>杵築(キツキと読みます)の自然の山野を駆け巡って育った、野生の猪の脚1本を使って、ハモン・イベリコを超える、最高級の生ハムの原木を作って、皆さんと一緒に食べようという計画です。

生ハムの名前は「カモン・キツキ


↑これはハモン・イベリコ (画像引用:Wikipedia

原木となる脚は合計3〜4本、古来からの手法と地元の天然素材を使って仕込みます。
1本当たりおよそ1~2kg(*個体によって差があります)
*参加人数によって仕込みの量を変えます。

ハモン・イベリコとは

↓ハモン・イベリコ=イベリコ豚の最高級とされる生ハムの原木(引用:Wikipedia)

↓スライスしたもの

大分>杵築のジビエ肉(猪肉)について

2017年秋、人づてにご縁をいただき、車で30分ほど離れた隣町、山香(やまが)地区の猟師さんと知り合いになりました。

大分県国東半島の杵築市山香地区はその名の通り、周囲を山に囲まれた谷あいの小さな山村です。
比較的穏やかな大分の気候ですが、ここは寒暖差が激しく、冬は道路が凍結し、通れないこともあります。
湧水地が多く、農業の盛んな大分のなかでも特に米がうまいと評判の地域です。(世界農業遺産にも認定されています)

また、ここ九州>大分>杵築(山香)はシイやイチイガシ、マテバシイのような「暖帯ブナ科樹林」が多い土地です。

それら、オレイン酸に富み、渋の少ない木の実や草の根を主食とする猪の肉はとても美味しく、特に冬場は、最も脂ののった時期で、古くから近隣の人々の間でのみ流通してきました。
(因みにあの有名な「イベリコ豚」は、半飼育の放牧で、ドングリを食べて育てられたものをベジョータといい、最高級の肉とされているそうです。)

ジビエ肉は臭い?キツキ・ジビエ 狩猟の仕方

私の師匠の猟の仕方は「箱わな」が中心です。

第一種猟銃免許も所持していますが、わなにかかった大型の猪の止め以外、鉄砲を使った猟は行いません。

基本的に一人で猟をする、というのもありますが、銃で撃たれた猪や鹿は撃たれてもすぐに死ぬことはほとんどなく、その後犬が追い、時間をかけて捕殺します。

追い回された猪や鹿は筋肉が硬直しているそうです。また、倒れる場所も人間の都合の良いところばかりではなく、引き上げて処理するまでに時間がかかることもあります。

「山ん(猪・鹿)肉は臭い、というのは昔の人間ほど言うもんね。昔は撃ってからすぐ次の獲物っていって、放っといてから夕方に引き上げるのが普通やったけえね。」

「師匠にもろうた肉は全く臭みの無かですね。猪肉ていうと、もっとクセのあるんやないかと思っとったです。」
というと、そんな話しをしてくれました。

ヒレ肉、ホホ肉はそのままソテーで、味付けは塩、コショウのみ。肉の旨味が口一杯に広がります。↓

「私は、知り合いに猟友会のひとも数名おるんやけど、ほとんどは鉄砲を使った猟て、肉の処理もうまくできんけん、80%は山に廃棄するちいいよったです。」と言うと、

害獣駆除をもちろん否定はせんけど、自分とは向き合い方が違うと。

師匠は猪や鹿が「害獣」であるとは考えていません。
あくまで自然に、生活の中に猪や鹿がいて、それらの肉を分けてもらう。そんな立ち位置です。

「私はあくまで食肉として、とらしてもらいよるけえね。」

害獣駆除の名のもとに国の支援事業にもなり、ジビエ肉がブームになっている昨今、今後ジビエ肉をネット販売するところも増えてくると想像します。

手に入りやすくなるであろう反面、私は何処で、どんな狩猟の仕方で、誰が捌いたジビエ肉なのかがとても気になります。

師匠にはじめてお会いしてから、何度も足を運び、猟の仕方や、解体を見せてもらい、話しを伺う度、師匠の人柄と猟と自然への考え方にとても惹かれ、ぜひ仕事をご一緒させていただきたい、とお願いしました。

一人で猟から食肉加工まで行っている為、また、自然相手なので捕獲できない日もあると、当初販売を拡げることには消極的でしたが、顔の見える相手に対して、私が責任を持って、真摯に取り組むことを条件に、お手伝いをさせていただくことになりました。

余すところなくいただく

我が家では皮や骨といった普段あまり流通していない部位もいただいています。どれも本当にウマいです。

猪皮の角煮

猪皮の角煮

背骨(下茹でしたもの)↓

猪の骨でつくる「骨スープ」は病後や、ちょっと身体が疲れているときなど、特に違いが分かるのではないでしょうか。まさに滋味。身体にしみわたります。

「カモン・キツキ」生ハムの作り方と素材

今回の主役は生ハムです。

キツキ・ジビエ猪の脚1本を使ってハモン・イベリコを超える、最高級の生ハムの原木を作って、皆さんと一緒に食べようという計画です。

生ハムの名前は「カモン・キツキ


↑これはハモン・イベリコ (画像参照:Wikipedia)

作り方や素材についての考え方は、「極力自然に近い状態でつくること。」「ここ杵築〜近隣の食材を利用して作ること」です。

おおまかには、
・原木となる脚は合計3〜4本、それぞれ材料と手法を少しずつ変えて仕込みます。1本当たり1~2kg。(*参加人数と個体によって変更)
・熟成期間はおよそ1年〜
・塩:守江湾天然海塩(塩釜)
・燻蒸チップ:杵築茶葉、桜
・燻蒸用炭:山香産樫の木炭
・仕込から完成まで随時このblogおよびFacebookにて報告

(*他の素材や制作についての詳細は追ってお知らせいたします。)

ぜひご一緒に最高の生ハムを作りましょう!

鹿のあばら肉の煮込み

九州の食卓「ジビエ特集 vol.20」

九州の食卓「ジビエ特集 vol.20」の記事、鹿のあばら肉。

ーあばらの骨を塩としょう油だけでコトコト煮込む。「これが旨い」。ー
うん、確かにウマそうです。

鹿のあばら肉もらってきました

で、師匠(猟)のとこの冷凍庫の奥でカチンカチンに眠っていたのをもらってきました。ただこんな感じでかなり「でかい」のと「不定形」。

我が家のせっまい冷凍庫にパズルのようにはまり込んでいたので、なかなかサルベージできず。。今回ようやく日の目を見ることになりました。

1日冷蔵庫に戻して解凍した状態。きれいな色です。師匠はほんとうにいつも処理が手際よくて、そのまま生でイケるんじゃないかと思うくらい(笑

鹿のあばら肉を煮込む

熱湯をかけてざっと血を落とし、そのあとひたひたの水にネギ(青い部分)、生姜、ニンニクを入れて茹でます。


アクが浮いてくるのでこまめに取り除きます。

アクが出なくなったところで調味料、酒、醤油、本みりんを加えて、あとはコトコト煮込みます。
味見してみてちょっと薄いかなくらいでOK。

煮汁が少なくなってきたところで一旦火を止め、味をしみ込ませ、味が薄ければ追加します。

完成実食

更に一煮立ちさせて完成〜。

いただきまーす!



お、身はほろほろ。するりと骨から剥がれます。


う、

う、ウマーいo(≧~≦)o;

鹿肉の旨味はしっかり。全く臭みもないですね(*1)。

ざっくりした繊維質の歯ごたえも。これはイケる。

鹿のあばら肉:合わせるならこのお酒

今回はこれ。「梅津の生もと 山田錦原酒 精米8割 H26BY」を熱燗でお願いします!

なんとアルコール度数は21度!
日本酒の発酵の限界か。さぞや濃い口か、と思いきや、、。
どしんとした腰のある味わいで、酸味もぎゅっと効いていますが、後味は超爽やか。これはすいすい飲んでしまうタイプですわー。

骨もとっときます^^何に使うかは考え中。

梅津の生もと 山田錦原酒 精米8割 H26BY

鳥取県産山田錦
精米歩合:80%、アルコール度数21度、酵母無添加(蔵付き酵母)
21度と聞いて、さぞや強い(キツイ=焼酎のような)イメージでしたが、全く違う。コクと酸味はしっかり感じながらもバランスがとても良く、スッキリと飲めました。完全発酵酒のイメージが良くなるお酒。燗冷めしてもヘタレない、むしろ風味の違いが楽しめました。冷やは×。熱燗のみ。

*1.ジビエ肉の臭みは、その処理の仕方によって大きく変わります。一例ですが、鉄砲で撃ったあと、犬が追い回して捕殺した肉は、ストレスを大きく受け、筋肉が硬直しています。
また、捕殺した場所によっては(谷間など)、引き上げるのに手間がかかり、解体処理まで、時間がかかる場合もあります。
適正な施設で、速やかに処理されたジビエ肉(鹿・猪)は、私たちが普段口にする、豚・牛・鳥同様に「臭み」はないと感じます。

猪モモかたまりを燻製に

100均で買った材料を元に制作した室内燻製器をつかって「猪モモかたまり」で燻製をつくります。

6回使用後の室内燻製器

はや6回目の使用です。軽くて薫香も良く行き渡り、使いやすさはばっちり。ですが
やはり耐久性が。。底が歪んできました。

今の時期、熱を加えて、そのあと急激に冷えるため、薄いステンレスはベコベコします。
まあ、まだまだいけるでしょう。

「猪モモかたまり」を燻製に

ということで、今回は「猪モモかたまり」を燻製にします。

塩と、ニンニク、それに我が家のローズマリーをすり込んで3日間冷蔵庫で置いたもの。流水で塩抜きして、水気をよく拭いてから燻製器に入れます。
今回はかたまりが大きい(2つで500g)ので予め150℃のオーブンで20分加熱しました。

サクラのチップにピートを砕いてぱらぱらと乗せます。肉につけていたローズマリーもいっしょに投入。

ピートと猪肉の相性はばっちり

ピート(泥炭)はいいですね。当初スモークチップのみでばかり燻製していたのですが、ピートを入れるとぐっと野趣が増します。ピートと猪肉の相性はばっちりですね。

ナッツも一緒に温燻すると

スペースが余るので、ナッツ(無塩のもの)もイン。

60℃程度の温燻で30分。

できあがりー。ナッツも香ばしく薫香がついています。

カットしてみると、いい具合に火が通っています。おお、ウマそう。

猪肉の燻製にこのお酒(立山)

さて、本番はここから。
今日の猪肉の燻製はこの為にあるといっても過言ではありません。

酒飲みの聖地、富山のお酒「立山純米吟醸酒〜!(ドンドン)」いただきものです。ありがとうございます!


それではイタダキマース。

う、


う、ウマーいo(≧~≦)o;

薫香に負けず旨味の利いた猪肉に、これまた超爽やかな立山。初夏の山頂でこのコンビで飲んだらきっと旨いだろうなあ。

富山で一気飲みする時のかけ声は「たってやま(立山)!たってやま!」て聞いたことがあるのですが、本当でしょうか?
一気飲みとかもったいなくって、とてもできませんが、この爽やかさなら、さもありなん(笑

今回も本当に美味しくいただきました。